#お知らせ

【活動報告】山岳写真データベースが公開されました

拠点参画機関である公益社団法人日本山岳会(以下、日本山岳会)は2025年4月に山岳写真のデータベースを公開しました。このデータベースの公開には拠点参画メンバーである日本山岳会・東邦大学の下野綾子さんが大きく貢献しています。
山岳は古くから多くの登山者に親しまれ、数多くの写真が撮影されてきました。このデータベースには、過去に撮影された山岳写真がアップロードされており、山岳環境の変化を見える化し共有することを目的としております。これらは山岳環境の変化を知るうえで貴重な記録となることから、登山者からの未公表の写真提供も募集します。
⬇️詳しくはこちらから
https://www.mountain-photo.org

■今後の展開

今年は、特にニホンジカの食圧による植生変化が深刻な南アルプスの写真データを現在の約80枚から200枚へと拡充し、具体的な保全活動の一助となることを目指します。

【山岳写真データベース 掲載写真の例】

・南アルプス
増えすぎたニホンジカ(以下、シカ)が高山帯にまで進出し、シカによる高山植物の食害が深刻となっています。南アルプスの聖岳から延びる主稜線上にある薊畑は、かつてはお花畑が広がっていましたが(写真1)、現在はシカの食圧で植生は短く刈りそろえたような景観となり、シカの嫌うマルバダケブキばかりが目立つようになりました(写真2)。

・大菩薩峠
1965年(写真3)に比べると樹木の侵入が進んでいることが分かります(写真3)。標高が低い(1897m)にも関わらず、稜線が笹原となっているのは、積雪や土壌条件、人の管理などによって森林限界が下がっているためと考えられます。樹木の侵入は自然な遷移と思われますが、今の開放的な景観がいつまで続くでしょうか。

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