#お知らせ
ネイチャーポジティブの実現を支える「自然共生未来基金」を設立
東北大学ネイチャーポジティブ発展社会実現拠点(NP拠点)は、2025年11月12日に「自然共生未来基金」を設立しました。本基金は、「ネイチャーポジティブを共に目指すパートナーとの共創活動を推進」することを目的とし、様々なステークホルダーが協働して、自然の豊かさと社会の豊かさをともに育む取り組みを支援し、ネイチャーポジティブの実現を促進するものです。
基金設立の目的と貢献
日本各地には、山や川、海といった豊かな自然が息づき、その土地ならではの文化や産業が形づくられてきました。本基金は、こうした地域の自然・文化・産業を活かし、自然と経済が両立する仕組みを育てていくための、「ネイチャーポジティブに向けたお金の流れを生み出す仕組み」の構築を目指します。また、アカデミア(大学)が核となることで、科学的根拠に基づいた活動推進と次世代人材の育成にも貢献していきます。日本にとどまらず、アジアモンスーン地域の「ひとが入った自然」の価値を世界に発信し、その可能性を示していくことも目的としています 。
主な資金使途
本基金は、日本各地の豊かな自然と文化・産業を活かし「自然の豊かさと社会の豊かさを共に育む」地域づくりを目指し、以下の活動に活用されます 。
- 黒部川流域ネイチャーポジティブ・プロジェクトの支援:富山県黒部川流域をフィールドに、企業・自治体・地域団体などが連携し、森から海まで流域全体で自然を保全・再生するプロジェクトを支援します。
- 地域サイトでのネイチャーポジティブ活動の推進:黒部川流域の活動をはじめ、今後は宮城県南三陸町や佐賀県唐津市など、他の地域サイトにも活動を広げ、地域に根ざしたネイチャーポジティブな活動を国内外に広く発信していきます。
- NPビジネスの活性化と人材育成:企業や自治体など多様な主体の連携を促し、ネイチャーポジティブな取り組みに資金が循環する仕組みづくり、および新たな事業や活動を生み出す人材の育成・支援に注力します。
本基金へのご支援は、支援企業自身の持続可能な事業開発に繋がる具体的な特典や連携機会を提供し、持続可能な社会経済の基盤づくりに寄与していきます 。
関係者コメント
NP拠点 拠点長
東北大学大学院 生命科学研究科 統合生態研究室 教授
近藤 倫生

ネイチャーポジティブは、もはや環境分野だけのテーマではありません。気候変動、地域の産業、食、金融、人材育成—すべてがつながる、社会全体の挑戦です。私たちNP拠点は、その「つながり」を原動力に、地域と世界の両方で、新しい協働のかたちをつくり出すことを目指しています。今回スタートする『未来基金』は、大学発のチャレンジとして、この大きな動きをさらに広げるものです。地域の多様な声と、科学、行政、企業が出会い、次の時代の社会像を共に描くための土台になります。
この基金が、志ある人やプロジェクトに光を当てる仕組みとして育ち、多くの共創がここから生まれていくことを願っています。
NP拠点 副拠点長
東北大学 グリーン未来創造機構・大学院生命科学研究科 教授
日経BP ESGフェロー
藤田 香

基金を通じてネイチャーポジティブな地域づくりやビジネスの活性化が進むことを期待しています。私がリーダーを務める黒部川のプロジェクトでは、流域の自治体や企業、住民が連携して流域ネイチャーポジティブの先進的なモデル地域になることを目指しています。資金は地域での調査研究や保全活動、ビジネス創出や人材育成、運営などに活用します。支援して下さる皆さんと共に地域づくりを進めていきます。
ネイチャーポジティブの実現を共に目指すパートナーの皆様からのご賛同、ご協力を心よりお願い申し上げます。
▼「自然共生未来基金」特設サイトはこちら
https://www.kikin.tohoku.ac.jp/project/support_the_project/Harmony_with_Nature_Fund